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井筒 (能)[いづつ]
『井筒』 (いづつ) は、能を代表する曲の一つである。世阿弥作と考えられ〔『五音』に作者名なしで挙げられている為。『能本作者註文』、『いろは作者註文』、『歌謡作者考』、『自家伝抄』、『二百番謡曲目録』にも全て世阿弥作とある。(参考:日本古典文学全集、『謡曲集(1)』)〕、世阿弥自身が申楽談儀でこの曲を「上花也」(最上級の作品である)と自賛するほどの自信作であった。若い女性をシテとした鬘能で、序ノ舞を舞う大小ものである。 == 概略 == 本作は帰らぬ夫を待ち続ける女の霊を描いたもので、寂しさと喪失感に耐えながらなおも夫を待ち続ける美しい愛情が主題である。 伊勢物語の23段「筒井筒」を元に構成されており、前段で伊勢物語で描かれた夫との恋が懐かしく回想される。後段では寂しさの高じた女が夫の形見の衣装を身にまとい、夫への思いを募らせながら舞を舞う。これは(多くの場合)男性が女装して演ずる主人公が、更に男装する事を意味し、この男女一体の舞が本作の特徴である。なお、題名の「井筒」とは井戸の周りの枠のことで、主人公の女にとっては子供の頃に夫と遊んだ思い出の井戸である。 伊勢物語の各段の主人公は在原業平と同一視される事が多いが、本作でもこれを踏襲し、主人公夫婦を業平とその妻(紀有常女)と同一視している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「井筒 (能)」の詳細全文を読む
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